ヌーです。
最近、前から気になってた子に告ったのね、したら「ワッタシ、ニッホンゴワッカラナイデショ、コップンカー、コップンカー」ってタイ人のフリ…
「コップンカー」って…いえいえ、どういたしまして(泣)
好きなタイプには振り向かれないと言う特技を持っています、はい。
そんな事を思いながら船にゆられてます、はい。
そう、また旅に出ています、はい。
それにしても俺の人生(かわいこちゃんがらみ)は思い通りにならなすぎだよ…
あぁ神様、コップンカー。
人と人のことって、思いが通じなかったり、通じたり、悲しんだり、喜んだり。そんな人の道を歩んでいくには丸腰マッパだとボロボロになっちゃう。いちいち傷ついてはいらんないから、人に会うときは対人用の戦闘服を着込んで出かけているわけよ、心にね。
服は着ているうちに体に張り付いちゃうから、ときどき海や川や山に捨てにいきたくなるんだよなぁ。
そう、心の不法投棄。
でもさ、うまく捨てるのが難しいんだよね。
近くて楽に行ける遊び場では自然と向き合う前に人と向き合わなければならないんだわ。
釣り
渓流では先行者に入られ、堤防では真っ直ぐ前しか投げられない、少しでも横に投げようもんなら隣のおっさんと糸が絡んでオッサンパーティー、船では鳥山を囲み遊漁船だらけ。
サーフィン
常に波の取り合い、ライディングのライン上に人、笑ってる人がいない波待ち。
ハイキング
すれ違う人達との止まらぬ「連続こんにちはの刑」…
この環境だと服を脱ぐどころか着込むばかりなんだよなぁ。
だから人の少ない島へと旅に出た、自然と一対一で向き合う為にね。
何千kmと何ヵ月もかけて歩くロングハイクの「美しく、凶暴で、優しい、そんな自然の中に、シンプルな生活の中に身を置くことによって、身につけていたその服が一枚ずつユックリと脱がせれていくあの感覚」そんなんもスゲー素敵だし好きなんだけど、気を抜けばヤラレるような強烈な自然にいきなり「どーんっ!」ってマッパにされるような自然遊びも大好きなんだよね、そんな向き合い方ができる最高な場所へと向かっている。
ただただ脱ぎたいだけ説ある(いろんな意味でw)
初めてこの島で釣りをしたとき、わけの分からない大きな魚に逃げられた、そいつが獲りたくてここ数年通いつめている。
船を降りて浜に出ると、目的地までは岩を乗り越え、ジャングルを彷徨い、潮が引けばリーフの上をバッタバタと歩き、時々腰まで海に浸かんなきゃなんない。
釣り船チャーターして船から釣ればもっと簡単なんだけど、ここの魚は歩いて行って獲りたいんだよね。
ズルくないと言うか、真っ向勝負というか、そんな気持ち。
島、上陸。
天気は良くないけどすぐに歩き始める。
移動時間を短くしたい、だって釣りがしたくてたまらないw
たまに雨がぱらつく中、道路を歩く。
はぁ、雨やまねぇーかなー…
浜に出ると雨のせいか砂が少しだけしまっていて歩きやすい♪
しばし歩くと俺の前に足跡発見。
目指す浜までは砂浜や岩を乗り越えたりして歩くんだけど、この足跡の主は足の置くところが絶妙、砂はかたい所を踏んでるし、岩や石も浮いてなそうなやつの上をリズミカルに踏んでいる。
結構歩き慣れた人だろうなぁ。トレランシューズっぽいし(水の中も歩くのでトレランシューズが正解)。
日がさすこともないから涼しいので歩くのにはいい感じ、むふふ。
ついついかっ飛ばしちゃう。
頭の中では平井大がっずーっと歌ってる♪
君と過ごす毎日がドラマみたいで♪
俺、過ごせてないけどなにか?
調子に乗って歩いていると岩の影に人が見えた、どうやら足跡の主らしい。
いきなり人に出会うと少しビクッっとするほど人がいない♪
主は俺と同じところらへんが目的地らしいんだけど、「ゆっくりと行きますわー」と。
俺は大潮の干潮を狙って歩いてんのね、なぜ?潮が引いたら、平らなリーフが顔を出す、うんでその上はかっ飛ばせるっつー訳。それを利用して早めに目的地へ行く予定。俺も時間をかければ体は楽だけど早く釣りがしたいからしょうがないw
「ではのちほど~」と別れる。潮が引き始めたのでバッタバタとリーフの上を歩く。
ほぼ競歩で数時間、とある場所まで行くとリーフがなくなり深〜い海が切れ込み、陸側が高〜い崖に行く手を拒まれる。
泳ぐか、手前から山に入って巻くか、崖を登るか、の三択。崖を登る人もいるみたいだけど俺はそれ拒否。
高所恐怖系、だって三階位の高さあるんだもん。はい巻きます。
この入山ポイントが分かりづらいんだけど今回は一発で発見(前回は30分ほど彷徨った)。
数日後に現地合流する仲間が入山ポイントをすぐわかるように、大きな岩の上にぶっとい流木を目印になるように置いとく。
ここで時間をロスするのはもったいない。なぜならド干潮の前後2時間位だけがリーフの上をかっ飛ばせる時間、その他の時間は背丈よりも高い岩や石の上、足のハマる砂の上を歩かなきゃならない。潮の引いたリーフの上はそれらの倍のスピードで、しかも半分の体力で歩ける。引いている時間は無駄に使えないんだよね、楽したければね。まぁリーフの上だって楽じゃないけど……。
この巻道を抜けるのに30〜40分はかかる、山を抜け海に出てから目的地までの間に2箇所ほどめんどくさい場所がある。潮が満ちてるとクライミング的なのしなきゃいけない場所。できれば岩にはぶら下がりたくはない、一人だし、落ちたら……だしね。
今はド干潮を過ぎ潮がそろそろ満ち始める頃、「早く行かなきゃ……」ハーフパンツなもんだからモンベルのレッグウォーマー、グローブに長袖の装備にして、いっそげー!と人が山に入るのを拒むかのように生えるトゲトゲのアダン(南国特有の植物)をガサガサ、イタタタとやりながら山へ突っ込む。
何回も来ているので迷うことはないんだけど、知らないと簡単にロストできちゃう。
木を掴んだり、クワズイモの茎掴んだりして急斜面を登る。
暑くはないのに登りで汗ビッチョ、息も切れ切れ。
波の音が遠くなり稜線へ。
風が吹き抜け気持ちがいい。
視界は木だらけだけどw
そんで体は泥だらけだけどw
イノシシのヌタ場を抜けて大木に会い、抱きつく。
ここ来ると毎回抱きついちゃう。
俺的に木は偉大で崇高な生き物なんだよね。
文句も言わず鳥や虫や人に与えるだけ与えて、ただそこに生きる木達。
ありがとう。
いきなりマッパってはじめに言ったけど、ヘリコプターで行くわけじゃないから一気に全部脱がされるわけじゃなくて、短時間でぱぱっ!って脱がされるのね、ここでまず1、2枚脱がされるんだよね、服。
「いやんっ、電気は消して… 」w
少し進むと下りに。谷筋を降りる形になるんだけど、今まで何回も来ててここに水があったことはなかったのに、ここ数日の雨のせいでしっかりと水が流れている=滑る。
2度ほどコケそうになる。
ヤッベー、予想より時間がかかっちまった。
案の定、海に出ると潮が上げ始めちゃてんじゃん!まーじーかー!
まあ最悪危険箇所は泳げばいいし(1mmも岩登ろうとしないw)とか思いながらもめんどくさいのは避けたいからサッサと半パンにもどしてスネの深さのリーフの上をザバッ、ザバッっと歩き始める。
今回はほぼ防水で有名なバックパックHMGのポーターを使用。でもね俺のポーター北海道のガチ藪で小さな穴が開いてるんだよね、ダクトテープ張ってるけど剥がれかけたそれってつまり非防水w
防水素材の中が濡れるのは一番たちが悪い、ゴアの靴で渡渉するようなもの。
一生乾かないやーつ。
だからなるべく泳ぎたくないんだよね。
用意周到な俺はバックパックの中でも防水しているけど……。
一つ目の難所が見えてきたけど、これまでの疲労で足がいうことを聞いてくんない。
モモの付け根が痛い。
しかも雨が……この雨で岩の上を歩くのがもっと大変になったのが確定、濡れると滑るんだよね、岩。
「足!動け!ぼーーけーーっ! 甘えてんじゃねー!」
ザバッザバッっと行けてたのが嘘だったかのようにノソノソと進む。
もはや脚で水を割く音は聞こえない。
一つ目の難所をどうにか通過。
二つ目の難所が遠ーーくに見えるが足が進まない。
水の抵抗と疲労のせいで足が進まない。しまいにゃ足首に違和感、モモの付け根はさらに痛みが……
波がくるとボロボロの足では踏ん張りきれず何度かよろける……
バカ足!動け!うーごーけーっ!
やっべー!
潮が……潮が満ちてきちゃったよ……。
ヒザまで満ちてきたけどこのボロ足で濡れた岩を降りたり登ったりしながら歩くのは辛い、ゆっくりとでも水の中の方がましと判断。
秒だけ休憩を時折入れながらノソノソと歩く。
時と場合によるけどさ「早くそこを抜ける事が一番の安全なテクニック」ってことあると思ってんのね俺。
がけ崩れが多い所をノソノソ歩いてるのとササって抜けるのとの差、危険な所に滞在する時間の長さの違いね。
その「早く抜ける」ための体力が少し前より落ちてきたかも……
無理かと思ったけど、足を止めなきゃ進むもんですな。
二つ目の難所もどうにか波のこないタイミングを狙って(波にはリズムがある)腹まで浸かって抜けられた。
この難所の先は陸を行く、少しだけ岩の上を歩けばいいだけ、ほぼ着いたようなもの。
うん、よかったよかった。
そんで難所のすぐ近くには水場がある!
さらに秘密の桑の実がなってるはず!
甘酸っぱくて美味しい実がなってるはず!
はーーい、実が1つもありません…鳥に食われたのか?時期?人?
水で我慢しますよ、はいはい。
ここで一服、何時間か歩いたけどはじめてまともな休憩。あとはダラダラ歩いても目的地まで30分位、しっかり休む。
てか動きたくない、もう歩きたくないわぁ。
この先もっと強く降るであろう雨、その中でシェルター張ることを想像したらやっと重い腰があがった。えっこらしょ、とぼとぼ。
到着。ここから裸足生活。
靴なんていらねーぜっ!
靴を脱ぐとここで普段の生活で無駄に着ていた服がすべて脱がされる。
「電気…消して…」はいはいw
もうさ、すでに心地いい。
仕事、老後、世間体、請求書、遠慮、読まなきゃいけない空気、ファッション、ネット上で文句をいうことによって自己肯定してるクソ、経済という病気にかかってるのを知らない輩、Googleで調べた知識を偉そうにしゃべるアホ、バカ、こんな事や者から身を守る為に着てる服が脱がされる。
この先かなり強い雨の予報。
風向き、潮、波を考慮して波打ち際から離れ岩陰にシェルターをしっかりと立てる。大きめの石にガイライン結んで深く埋める、多分かなりの強風でも耐えられる、はず。
グレートコッシーマウンテンのコッシルシェルターを持ってきたけど、なにせミニマル。まぁそこが大好きで使ってるんだけども。
この先の停滞も視野に入れて居住部分の砂を掘って高さを確保、砂だからこそできる芸当。
うーーーん快適快適!
これで数日雨が続いたって快適に停滞できるぞ。
家ができたら一服して、雨の中我慢ができずにかっぱ着て竿を振る。
フードに当たる雨音と竿を振る音、波音、要らぬ服を脱いだ自分。
雨が強くなる中釣れたのは
ニセクロホシフエダイ?イッテンフエダイ?ヤマトビーだったら線入ってるよね?よくわからんがこの黒い点付いてる奴のどれかはシガテラ毒の可能性があるってだけ知ってるんだけど、どれだっけ??
そういうのは食べない。
基本的に俺の自然遊びでの判断は「やべーと思ったらやめておく」それは「オナラなのか、実なのかわからない時」と同じw
雨に心折られて終了 チーン。
さらに砂に埋もれた石を足の小指で蹴飛ばす……。
靴いるね…意地でもはかねーけど、裸足の心地良さ圧勝。
濡れた服を脱いで乾いた服に着替えて屋根下へ。
オカズが獲れなかったのでラーメン、小石で作ったストーブにエスビット一欠片で物悲しくラーメン。オカズ獲れてもどうせ薪は濡れているし調理はしづらいと自分に言い訳(泣)
暗くなるまではまだ時間があるなぁ、暇だなぁ。
布切れの屋根をひっぱたく音が激しくなる、風がそこまで強くないのが唯一の救い。
出入り口から雨が入るので傘を広げて塞ぐ。
張った場所、掘った床、傘、行動タイミング、うーん、完璧!自画自賛!
暇だから持ってきたラジオを試すと理解不能な外国語しか聞こえてこない、なるほどなるほど、電源を切る。
雑音がなくなると相変わらずの雨音。
屋根がバタバタうるせー!
口に水を入れてその上にスピリタスを注いで混ぜて飲む。
はい、味もクソもねぇただのアルコールです。酒の弱い俺には少量で寝付けるただのアルコールですわ。
いつもワインでも持って行こうかなとか思うけど、燃料にもできるスピリタスを選んでしまう……次はワイン持ってこよう……かな。
ガチな自然遊びにオシャレとグルメを持ち込むんじゃねぇ!!とかたまに言っちゃうくせに…俺w
横になる。
寝床はうっすいマットにBorah Gearのビビィ、寝袋はハイランドデザインズのミニモキルト。
ビビィの布切れをかぶるだけで丁度いい温度、寝袋は枕になってしまった。
目を閉じると雨音が強調される、そう大雨警報出てるんだよね。
この雨でいくつかある帰る道も渡渉できないとかツルッツルで危ないとかで通れないだろうなぁ。急に隔離された感、いやいや感覚じゃなくてほんとに隔離されてるんだよw辺境の地に一人で。
濁ってるけど真水、食料も沢山あるから全然平気だけど、この感覚を目を閉じて噛みしめる。年に数回この感覚は味わいたい。
スピリタスが効いて、いつのまにか眠りに落ちる。
翌朝。
見たことない所に川ができていたり、見たことない所に大きな滝ができていたり……。
そう、大雨警報は引き続き出ております……。
コーヒー入れてまずは一服。
雨が土砂を海へと運び激濁り、茶色い海。
まてよ!?土砂に混じって餌となる小魚やエビなんかも流れているはず!それを狙って魚が回ってきているかも!!と、コーヒーも飲みきらずに慌てて雨の中竿を振るが反応なし、問題なし。
雨の釣りはほぼ修行、辛くなり背中を丸めてお家へ帰り、浮かんでる虫をどかして冷めきったコーヒーをすする。
竿達は外に出しっぱなしにして、雨で塩を流す。
潮の引いた時間帯にリーフの際まで行って釣りをしようかと考えていたが雨はやまず……引きこもる。
もう一度ラジオを試す、短波を探ると雑音の中から日本語が聞こえてきた。
しばらく聞いてたけど雑音にイラつき電源を切りジップロックに入れて「もう使わねーよ!」と荷物の底の方に突っ込む。
次回の装備からは外れました、ラジオ。
小雨の夕まずめも魚の反応なし、問題なし。
へいへい、わかりましたよ、寝ますよ。
この前追い越した人はこないみたいだ、多分雨がすごかったのでどこかで停滞してるのだろう。
翌日。
濁りもだいぶとれた。
そして快晴!待ってました、太陽!
朝からなんか生命感を感じる、釣り人の本能。
その勘は当たり魚が寄ってきているみたいだ。
ダツ、ミーバイ、アミメフエダイ、オニヒラアジなどなど。
目的はGT(ロウニンアジ)なんだけど、まずはとりあえずなんか釣りたいからって無敵なルアーD-contactを投げちゃう。これ↓
貫通ワイヤーで作ってくれないかな〜SMITHさん……。
このルアーがあればとりあえずのオカズは釣れる、まちがいない。
で、このルアーを使うと言うことはその釣りはオカズを獲りにいってる側の釣りなんだな、つまりは狩猟採集。狩猟採集の釣りと、狙って獲りたい獲物を釣る釣りとでは少しちがうんだよね。
狩猟採集も狙って獲る釣りも本当はどちらかに集中して時間をたくさん使わないと成り立たないんだ。なのにおれは両方をここでやりたいんだな、欲張って……。
狩猟採集の生活には時間がかかる、草さがしたり、貝探したり、とったものの下処理したりなんだり。
そんで狙った魚を釣るにはやはり時間がかかる、潮に合わせた釣り方したり、移動したりなんだり。
どこかでちゃんとバランスをとろう、そうしないと両方中途半端になるかもなぁ……。
そんなんは置いといてとにかくまずは何かしら釣りたいという欲望もあるから、
釣れちゃうD-con投げちゃう♪気付くといつもそーしちゃう♪ぷちょへんざ。
今回は今までここで釣ってきた魚よりも少しだけ大きいGT(ロウニンアジ)が獲りたいんだよね、今までのこの↓サイズの魚ではなく
こんな風にフックを伸ばしてしまうやつが獲りたいんだなぁ、しかもGTを。
GTを専門にやる人から見たら「え?そんな小さいルアー?そんなタックル?」と思うかもしれないけど、ここに通った結果、ベイトが小さいのか反応を見せるのは120mm〜130mmのおとなしめの表層系、またはシンキングペンシルかミノー。
オカズ獲りには100mm以下の不規則ジャーク系ミノー。
竿とリールはそれらを投げられる中でできる限り強いもの。
ここまで話したからタックル(釣り道具)の話を。
今回のタックルは
竿
海外シマノのS.T.C Powergame-Boat 2520
5本継、8ftで120gまで投げられる。
もうひとつの付属の穂先に変えて4本継にすると竿は短くなるけど300gまで投げられる、というかジギング用かな。
ツララ ポルタメント 73 イヌクシュク
4本継、グラスが入っているので粘る。リフト力は弱いけど勝負に時間をかければ色々な魚が獲れる万能竿。曲げて獲る竿。
両方共コンパクトに持ち運べる。
リール
シマノにつけるのは Penn Spinfisher Ⅵ 5500 スピンフィッシャーの最新作。
PE4号が300m弱 リーダーは100lb ナイロン。
はじめは軽量化考えてもう一つの方のリールひとつでいいかな?とか思っていたけど、準備段階で釣りの師匠の言葉を思い出して購入。
その言葉「魚に誠実に」この言葉はいつも俺の胸にぶっ刺さる。意味が多様だし、深い。
舐めて釣るなとか、
準備は完璧にとか、
同じ生き物として同等の命の重さとか、
殺して食べるなら感謝をとか、
魚の欲求に誠実にとか、
獲るのに必要な道具の強さを、とかとか。
GT釣りは一般的に船からでかいルアーを投げる、PE5〜8号を300m巻けるリールが必要。だけどここでの釣りはルアーがでかいと魚が反応しないんだよね、だから小さくて軽いルアーを使う、強靭すぎるタックルでは全く飛距離がでないから釣り自体が成立しない。
そんな中ではじめに選んだのはPE3号を300m巻ける次に紹介しているリールだったけど「魚に誠実に」が引っかかりもう1段階だけ強くした。
ツララにつけるのは Penn SlamerⅢ4500 PE3号が300m リーダーは80lb フロロ。
糸の結束はFGノット。ルアー結束は漁師結びで溶接リング&スプリットリング。
ルアーは上から
タックルハウス ブリット120
タックルハウス フィードポッパー120
ジャンプライズ 飛びキング105HS
そんで今はあんまし買えない
ブリッジ チャムトゥイッチャー 120と90
メインはこのあたり。
では話に戻りまーす。
早朝、なかなかの引きを楽しませてくれた軽く60cmを超えるオニヒラをあげた後一服。
その後事件は起きる……。
静かな雰囲気になった海に1投、2投目。
アクションをつけてルアーを引いていると、
「ドーン!」いきなりのどーんっ!
「じーーーーーーーーーーっ!」ドラグが出されていく、勢い良く。
「そう!君!君を獲りに来たんだよ俺は!」
一瞬にして体温が上昇した気がする。
前回はこの果てしなく高速で出る糸とドラグ音に焦ってハンドドラグをかけてしまいばらしてしまったんだ。
「じーーーーーーーーーーっ!」
かかったタックルはツララの方、少し弱いけど意味なく自信があった、そんで今回は少しだけ落ち着いている。
「いいよー走りたいなら走りな、そっちは障害物ないし」
少しドラグを締める。
テンションかけつつ耐えているとドラグの鳴く音が止む。
ゆうに100m以上は出された。
ポンピング(竿をゆっくりと立て、戻すときにリールを巻く動作)をしながら少しずつ寄せにかかるが良くも悪くも竿が魚の力も俺の巻く力も吸収していしまい、一回のポンピングでリールが一回転巻き取れない。このリールは一回転で約100cmほど糸が巻ける、竿を立てるたびにどれだけ寄ったか計算しちゃう。
でも大丈夫、「これ獲れる、俺獲れる!」
もう一回ポンピングするとまた少し走りだす。
「じっ、じじーーーっ」
あぁ巻いた糸が虚しく出されてしまう。
まじか…獲るまでにこれを何回やるの?
ゆっくりとテンションを強めにかけると止まった。
ピンと張った糸が風を切る音しか耳に入ってこない、集中している。
今おれは探し求めた獲物とこの糸で繋がってる!
今度は右にゆっくりと魚は動き出した。
「そっちへはいくなーーー!リーフがある!」
少し強引に止める。
よしっ!と、もう一回ポンピング、巻ける量が少しだけ増え主導権がこっちに変わった。
ここから焦らず、少しだけ強引にいくぞーっ!絶対に獲るっ!!
「スンッ……」
ん?!?……
手応えがなくなる……バレた。
波の音が耳に入る。
集中が切れた。
気がつくと砂にめり込む裸足が少し震えている、興奮していた。
ため息ですべてが元の世界に戻った。
その後、海は何事もなかったかのようにスティーブン・セガール、うん、沈黙。
獲物は逃げおおせた。
残ったのはチャンスは朝の満潮付近の回遊という経験だけ。
頭でも冷やすかな、と服を脱ぎ全裸に。
そんで海に飛び込む。
これもしたいことの1つ、全裸スイム。
ヌーディストビーチだとかには興味はない、ただ一対一で自然に抱かれたいっつーだけ。
マッパで誰もいない海に浮かんだことある人、誰もいない山のピークでマッパになったことある人どんだけいるのかなあぁ?
すげー心地いいんだよね、地球に抱かれてる感、解放。
誰もいない大自然にマッパおじさん一人。
一対一の対話、魚とも、海とも、自然との対話。
これらがしたくて俺はここに来てるんだなぁ。
心と体を裸に。
肌は最高と感じつつも、頭は逃げられた悔しさであふれる。くっそぅ…
潮が引くまでのんびりと濡れたモノを干したり、茶したり。太陽さまさま。
潮が引き始めたらリーフの上から釣りをする。
「まだ波があるなぁ」
たまに来る大きな波(サーフィンで言う所のセット波)は腰まで浸かっちゃう。正面から波を受けるともっていかれそうになる、踏ん張って波を斜めとか横から受ける。
やはりリーフのエッジからの釣りは難しい、いろいろな事に気をめぐらさないといけない。エッジからの切れ込みや穴、足を滑らせ落っこちてしまったら最悪ハマって抜けられなくなって溺死もありえる。
キャスティングや取り込み時以外にも常に波を見ながら対応しなきゃなんない。波にあわせてどこからどの感じで獲物を取り込むのかを頭に描いておかないといけない。
釣りの最中は力のかけられる足元、取り込むときはステップをどこに置くのか、どの方向にどう歩むのか、などなど想定と複数の事を一度に注意していないといけない。
でかいの掛かったらヤバイもんね、海の釣りは魚のサイズを選べない。
やっぱりリーフエッジの釣りは難しい。だからこそこの釣りには夢があるんだなぁ。
そろそろ合流する仲間が着く頃かと思い、釣りをしながら来るであろう方角をたまに見る。
すげー遠くで数羽の鳥が岩陰からあわてて飛び立つのが見えた。
「あ、多分来たな」
その30分後仲間と合流、潮が上げちゃうので挨拶もそこそこに夕方まで釣り。
途中で竿をしまい仲間が釣りをしてる間に貝を採集、今宵のオカズは貝w
日が暮れる頃ボラが釣れてびっくり、ボラいるんだね。後で聞いたんだけどここらのボラはうまいんだってさ、水が綺麗だからなんだろうなぁ、リリースしちゃったよ…
雲がなくなり空には無数の星が。
流れ星もたまに見える。
一人で遊ぶのも最高だけど、仲間と時間を共有する遊びも最高だよね。
一対一の対話は十分楽しんだのでここからまた違う楽しみを食べ尽くす。
いやーとにかく晴れって最高!!
翌日。
早朝、仲間の竿が大きくしなりオニヒラがあがる。
チャンスタイム終了後そいつをいただく。
にんにく醤油のヅケが最&高。
刺身、それと真水に海水少し足してマース煮。
しーかーも!仲間が土産にビールをもってきてくれたとのこと、それは沢に沈めてあるというじゃない!
早速ビールを取りに行く。
「今飲まずに、いつ飲むのだ!!」巨神兵の如く突然現れたありがたきビールとともに獲物をいただく。
荷物重くなるのに持ってきてくれて……マジありがとう!
最高の食事。
最高の昼寝。
頭隠して……w
日差しがやばい、汗だくで起きた。
もちろんそのまま海に飛び込み汗流すw
干潮を待って潮の引いたリーフに立ち込んで釣るもノーフィッシュ
だいぶ波も落ち着いたけどノーフィッシュ
暑すぎる、春なのに真夏だなこりゃ。
水量の少なくなった沢に寝転び洗体、洗濯、冷却。もちろん石鹸なんて使わないからたいしてきれいにはならないけど、真水のさっぱり感はやっぱり違うよね。
いつのまにか前に追い越した人は到着したらしい、お互い見えないくらい距離感を保ってくれた。この自立感が心地いい。
翌日。
この朝が最後のチャンス。今日、昼の干潮にあわせて帰路につく。
ルアーをキャストし続けるも反応がない、疲れたので一休みしながら水面を見ていると前方に違和感。「んん?」水面が少しだけもじった。
怪しかったので、進行方向と勝手に予測した先にキャスト!
フローティングペンシルでダイビングさしてダイビング〜♪
「バシュッ!!!」
水面に水柱!
「食った!」
やはり魚だったんだ、目が良くて良かった。
糸は出されるがそんなに大きくはない感じ、またオニヒラかな?とか思いながらオカズを獲ってる感覚の余裕、なぜなら強い方のタックルを使っているから。
一瞬ドラグを出されるがすんなりと寄ってくる。
打ち寄せる波に合わせ強引に上陸させようとするがここでなかなかの抵抗を見せる、近くなので盛り上がる波の水中がよく見える。もう一匹同じ位のサイズの魚が獲物の近くにいたのが見えた、「おいっ!どうした?おまえどうした?」と慌てた感じに。
4度目の波に乗って無事上陸!
んんん?おでこが出っ張ってるし、エラの上の白い部分がない!!
なんとGT、小さいけどもGT。
うひょーーーう!!やったぜ!!
写真もそこそこにすぐに海につけると、元気に帰っていった。
今回はこれで裸足生活も終わり。
ありがとうGT!
コップンカー!大自然!あっ…
またここへ戻ってきタイ!あっ…w
靴をはくと急に現実に戻される
夢の中にいたのかもなぁ
さてさて、また服を着ますかな…