2018年8月10日金曜日

コイカクシュサツナイ岳〜ペテガリ岳 縦走

どうも、ヌーです。
町を歩く薄着の女子を見ると「おおおおっ!」と思った後に薄ら寂しくなります。
どうせオッサンだから、もう、意味ない。と・・・
ということでね
しっかり、最大限に、悔いなく遊んできました。
ホッカイドぅ~で。
去年登ったペテガリ岳、そこから続く果てしない稜線を歩きたい!と思ったから、今回歩いてきた。
出発前、相変わらず仕事でかなりの体力を奪われていたので、にんにく注射を打って出発。今回は元気にスタートを切ることができた。にんにく注射ゴイスー。
去年は体力ゲージほぼなしで山に入ったら山に負けた、というよりも自分に負けたのね。
でも今年は自分に負けず、コントロールできている気がした。

では
羽田の駐車場に車を入れて、朝一の便で帯広空港へ。駐車場いくらになるのかなぁ・・・恐&怖。
途中で腕時計を忘れたのに気がついて、帯広の町まで行かなくちゃいけなくなる。まあどうせそっちのクロネコヤマトに送っておいた熊スプレーを取りに行かなくちゃだからいいけども。
飛行機から見る日高山脈の東側は雲で覆われている、日高の山々が雲を止めている。
稜線がくっきりと見える、あそこをあるくのかぁとしばし見とれる。
帯広駅まで空港からバス。朝からデカイバックパック背負ったオッサンウロウロ。
駅ビルで時計屋をみつけ、安物の時計購入。その後ダイソーで時計につけるコンパス購入。スーパーでスピリタスを燃料兼寝付きの薬として購入。などなど準備を済ましタクシーでクロネコ経由のいざ登山口付近まで。
タクシーのドライバーさんが釣りする人で「爆竹もってけ」というのでホームセンターへ寄り道して買う。
札内川ダムまでは車で行ける、そこでタクシーを降りる。
「気をつけてね!」とドライバーさんに言われる。そしてUターンしてタクシーは去り際にクラクションを鳴らす、これからいくつも通るトンネルにクラクションがこだまする。
やべー、始まってしまった、自分からきたのに、はじまっちまった。
暗くてこえートンネルを歩き始める。

出口の明かりが見えてくるとなんかほっとする、けど途中にある非常地帯?みたいに10m位のへっこみがあるところに来るたび熊いるなよ!とビビる。トンネル入るたびに大声出してるからいないと思いつつも、ね。
コイカクシュサツナイ登山口の看板を見つけ「よーし、ここからか」と気合を入れ直す。
川を遡上していく。
今回はコイカクシュサツナイ〜ペテガリを縦走、ペテガリ山荘で仲間と合流、その後釣りまくる。予定。
順調に川をトレランシューズでザバザバ遡上。
上二俣と呼ばれるところに3時前に到着。今日はここでキャンプ、無理はしない。
目の前の川でオショロコマを釣るが大きいのはいない雰囲気。一匹釣ってすぐやめる。
魚に触れることのできた喜びだけでOK
爆竹鳴らしツェルトに潜る。

翌朝、日の出前に起床、ゆっくりとコーヒーをし、水を7.5リットル汲んで歩き始める。
が、尾根への取り付きまでが背丈の笹薮。足元の踏み跡を追って歩くのが基本だが途中で鹿道にシフトしてたらしくロスト。日高あるある。
ピンクテープを遠くに見つけてどうにか復帰。
途中、稜線の藪で撤退してきた人とすれ違う。「ここ1000mを2000mで登るんだぜ、大変だよっ!」と言われる・・・それを登る。
ヒーヒー言いながらどうにか夏尾根の頭まで。コイカクシュサツナイ岳はここから稜線を歩きあと少し。ここで大休憩。
一人稜線をこちらへ向かってくる人を発見。こちらへ到着後しばしおしゃべり。
ヤオロマップにある水場はチェックしていないとのこと。大雨の後ここしばらく雨の降っていなかった状態だったので俺自身はこの水場はあてにせず多めの水を積んできた。
「昨日さー、夜中に鼻息がふーふー言うから、怖くて、これは幻想、嘘だと自分に言い聞かせて寝袋に潜って耳塞いで寝たんだよね。そしたら朝、テント脇に熊のうんこがあってさー・・・脅かすわけじゃないけど・・いるからね」と・・・ですよね・・・
この日すれ違ったのはソロ2人、ガイドさんとおねぇさま2人の5人にしか合わなかった、週末なのに。日高あるある。
コイカクシュサツナイを越えヤオロマップへ一応水場をチェックしに飲んでしまったプラティパス一つだけ持って沢の源頭へ降りる。
生命の泉と呼ばれているらしい。

数ミリの流れが3本・・・
ありがたくいただく。ここの水は本当に美味しかった。冷たいしピュアだ。
登り返しで喉乾いて稜線復帰後早速飲むw
まだ日はあるから少し進んでおこう。戻るならここから、進んだらもう進むしかない地点、最後のビビリ心を捨てる。
1839峰を目指す人達がヤオロマップまでは来るがヤオロマップから先の稜線はほぼ人は通らない=藪やばい。たった1km進むのに何時間もかかり、体力も太陽の明かりも奪われていく。「だめだ、キャンプしよう」と見つけた所に無理やりキャンプ。
狭いスペース、傾斜。

今まで数え切れない位ツェルト張ってきたけど、ワースト1決定(笑)
折れた心をとある大好きな仲間の声で修復、テクノロジーってすごい。人の力ってすごい、色んな意味で。電波アリ。
ポールも使えず、上にある死んだ木を使って張る・・・地面真ん中にある太めの根っこがケツにくる位置に張ったのでこれにケツ引っ掛けてどうにか寝る。スピリタス飲みたいけどお酒は喉乾いて水を飲まなくちゃいけなくなるので我慢。
疲れていれば寝られるもんだw ガス、8m〜10m位の風。

翌朝、水でインスタントコーヒー作って、チョコで糖分どーん。
さて、藪りますか。
この日は朝から小雨、ガス。視界が悪い。
一歩一歩と言い聞かせながら進むが普段の歩く感覚が捨てきれない、スムーズに次の一歩が踏み出せるあの感覚が。次の一歩が続けて出せるのはラッキーなんだな、ここ。
手でかき分け、獣の踏み跡を探しながら歩くが、それすら簡単に踏み外し、笹、ハイマツ、もう一種類の知らない木にさまたげられる。休憩したいがそのスペースすらない、キャンプも自分の好きなところにはできない。日高あるある。
途中「ん?なんか違うかも」とGPSチェック(アンドロイドのGeographica)
稜線歩きで迷うわけねーだろ!と思っていたけど、獣道さえよくわからんのと、ガスの為簡単にロスト。100mほど登り返すはめに・・・藪を。笹を掴みながら滑るように楽に降りたのが悔やまれる。
急斜面の為登るのが大変だが登りゃにゃいかん。藪の下のほうを潜るように掻き分けながらそれを掴みながら進む。たまにある木が斜面に対していい感じなのでそれに座り休憩。
歩いているというか這っている時は水筒出すのすらめんどくさいので笹に付いた雨露を舐めながら登る。ほぼ熊。4足歩行の、体毛の意味がわかる。頭を挿せば藪は後ろへ流れる。歩きやすい。否、歩ける。
熊になりたい。
稜線に復帰「くそがーーーーーーーーーっ!」と叫ぶ。自分がクソなのにね
そこからも藪の猛攻♪もう結構♪あはーあはー♪
八時間歩いたが全然進まない、あとで計算したら1時間に300m・・・ウケる。
昼過ぎだが天候も悪く次どこでキャンプできるのかもわからないのでちゃんとツェルトを張れそうな所でもうキャンプ決定。木々に付いた露と小雨でカッパも意味なく全身ビチョビチョ。ロストで心も折れた。
暖かいわかめスープとコンビーフにマヨが美味いのなんの。なるべく水を使わないようにする。
ベアカントリーでは食べる所と寝る場所は別にするのが鉄則だがこの稜線でそれは無理そうだ・・・スペースがない。爆竹で存在だけでも熊に伝える。
ツェルトの中で携帯いじる(笑)日高の稜線は電波が入る。だからこそ歩きたいとも思えた。SNSで山と道北海道支部ことガクさんからのコメントに勇気づけられる。「そこプロでも死ねるからね。そこ深すぎて助けには行けないからね。なんかあったら位置だけでも送ってね、捜索省けるから。」と言われたことはおっかねーけど気にかけてくれているその心遣いに感謝、折れた心が修復されていく。2日続けて寝る前に人に修復してもらう。
そう、俺は弱い(笑)
風が強いがどうにか耐えられると判断、しっかり張ったツエルトは意外と強い。はず。
雨は止まない。キャプリーンとフリースとパンツは無理だが、アイベックスのTとモンベルのウールトランクスは着ていれば乾くのをしっていたので、着ながら乾かす。明日の行動着をできるだけ乾かしたい。そして乾いているものが濡らさない。気温が低い、雨、翌日のことも考えて。
バタバタと一晩中雨と風にやられたけど熟睡。
翌朝。
雨、止む。風強し。
西に月と雲海からの東に太陽。やっべ、これ。最高。独り占め、だってこの付近は多分人は俺だけ、熊の方が多い。
歩き始めたいが、太陽がも少し上がるまで待つことにする。濡れたの着て強風、気温も高くはない、低体温は避けたい所。それまで寝袋につつまりながら湿ったフリースを股にはさみ少しでも乾かす。寝袋が撥水ダウンで助かる。今回はハイランドデザインズのSub-Sキルトを持ってきた。これが全てにおいて今回ジャストフィットした。
朝の段階で水は4リットル弱、最悪次のキャンプもできる。
さてと、歩きますかっ!と宿の撤収をしてあるき始めると、40cm四方よりも大きい熊のクソを発見、稜線ではたっくさんクソ見てきたけど今まで見た中で一番でかい・・・200kgオーバーの個体だろうか。
鳥肌たった、新しいそのうんこは同じフィールドに剥き出し同士で存在する証。
ま、ビビってもしゃーない、歩くだけだ。
たまにひらける名も無きピークで休んでは見渡す。
カムイエクウチカウシや1839などが見える、これから向かうルベツネも。
濃い、なんせ濃い。自然が。


これを感じたくてここを歩いているんだな。
藪がヤバイのも、三点支持が必要なナイフリッジがあるのもわかっていた。
クライマーでもない俺がそれを知りつつここを選んだ。
「本物の自然」を感じたかったんだよね。最近は自然好きを語りながら、リスク低め、人の手の沢山入った自然しか触れていなかった。やっぱり濃いのに触れたいと。
でもねその代償はとても、とっても高い。相変わらずの濃い藪、いくらか踏み跡というか獣道を探すのがうまくなったけど、大変なもんは大変。
何回も「はぁ、俺何してんだろう・・・」と、ほぼ修行w
時折藪を掴んだその手についてくる毛は熊のものだろう。
その手も松ヤニで汚れている、いい匂いだけど。これでも雨露でだいぶ落ちた。

今回もHMGのポーターを選んだ、これが正解だった。
藪が濃すぎる、サイドのポケットあったらもっと歩くの遅かっただろう。それは持ち運ぶべき水の量に直結する。外付けは後ろだけはOK、上や下やサイドには付けられないだろう。

ルベツネ山周辺の稜線では時折左右スッパリが切れたナイフリッジに出くわす。
少しガスっているのが幸い、恐怖感は薄れる。この天気のおかげで消費する水も少くて済んだ。そう、山の神様は微笑んでいる。
しかし、怖いもんは怖い。
だって高いの苦手。
落ちたら死ぬし。
岩は乾いているが、靴底が濡れているから慎重に、慎重に。
そう言う所は深呼吸してから登ったり降りたり。
大体の場所でハイマツや草やなんかしらの枝を掴めるが一箇所だけ岩しかない所があった。怖っ!
でもここ熊歩けるんだろ?ザイル使う人間しか通れないと言うような場所ではないだろ?
じゃあ歩けよ!と自分に喝。
野生動物は崇高だし、身体の仕組みも違うけど、少し近づけた感じがした、少し嬉しい。
けど、ここ二度と歩きたくない(笑)けど、今は歩かないと死ぬ(笑)
藪歩きに慣れたのか、少し踏み跡を探すのがうまくなったし、藪の薄い所も出てきた、高度が少し上がったのだろうか、想定よりも早く進む。
次のキャンプ予定地ペテガリCカールの下降点に着く。
「うーん、ここで泊まりたかったけど、天候も良くないしなぁ・・」よしペテガリ岳へ向かって下山だな。それが一番安全は道だ。山荘まで4時間か5時間、水もまだあるし。
ペテガリ山頂に着く。
もう、細いハイマツや枝や草に命を預けることはないな、ヒリヒリ、ピリピリする山を終えた。ガスでよくみえないけど歩いてきた稜線を見返す。
ここからは電波が入らなくなるので、下にあるペテガリ山荘で合流する仲間にメッセージを打つ。山荘へ向かいます、明日までに合流できなければ明後日山荘出て下山します、と。
そして下る。
ペテガリの下りは大嫌いだ、下りなのに何回もしっかり登る。
標高を下げると晴れてきて暑い、スズメバチの「お前は敵か?」パトロールも増えてきた。
途中、胃酸過多ぽい気持ち悪さ。ワンゲロでそうだけど何も出てこなかった、食べすぎたビーフジャーキーのせいだろうかw
修行がなげー
休み休みゆっくりと歩く。もう終わりだろ?からの最後の登りがヤバくてうける。

書くの疲れちった、続きはまたすぐ。







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